令和7年度/未来を創る!フードテックビジネスコンテスト
【ビジネス部門最優秀賞】
受賞者インタビュー
香取惟さん
(ディーツフードプランニング株式会社)
2026年2月に開催された「令和7年度/未来を創る!フードテックビジネスコンテスト」本選大会。その中でビジネス部門最優秀賞を受賞したディーツフードプランニング株式会社 香取 惟さんにお話を伺いました。
「肉・魚に次ぐ第3の選択肢「Deats(ディーツ)」:おから×こんにゃくで実現するアップサイクルフードの社会実装」をテーマに挑んだ今回の提案。その背景には、どのような想いがあったのでしょうか。
おからから生まれる“第3の選択肢”
香取さんが提案したのは、国内で年間約70万トン発生する「おから」などの食糧残渣を、独自技術「HUG製法」により食品へと再生するアップサイクルフード「Deats(ディーツ)」の社会実装です。
日本では年間472万トンの食品ロスが発生しており、その中には保存や輸送が難しく、98%以上が飼料・肥料や廃棄物となっているおからも含まれています。一方で、動物性タンパク源の価格高騰や供給不安、畜産由来の環境負荷、国内一次産業の弱体化など、持続可能な食料供給には多くの課題があります。
さらに、健康志向の高まりにより糖質・脂質・カロリーを抑えた食品への需要が増加する一方で、既存のプラントベース食品には「おいしくない」「匂いが気になる」「価格が高い」といった不満も少なくありません。
「これらの課題を同時に解決できる、サステナブルでおいしい日常食が必要だと考えました」と香取さんは語ります。
Deatsは、おからとこんにゃく由来の食物繊維を豊富に含み、低カロリー・低脂質でありながら、独自の無臭化技術と凝固・加工技術によって肉や魚に遜色ない美味しさを実現しています。また、植物性100%の商品に加え、肉や魚と組み合わせる「ディーツハイブリッド(Deats Hybrid)」も展開。原料使用量を抑えつつ味や品位を損なわないため、完全代替よりも導入ハードルが低く、飲食店や給食、量販領域での社会実装が進みやすい点も特長です。
人生を変えた“おからこんにゃく”との出会い
香取さんは、農林水産省中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3基金事業)の採択をきっかけに、農林水産省のイベントやフードテック官民協議会との接点を持つようになりました。
「最優秀賞を受賞された過去の企業様が、その後大きな成果を上げられていることも後押しとなり、今回挑戦させていただきました。」
フードテックという枠組みの中で多くの企業が参加するコンテストにおいて、今回の受賞については次のように語ります。
「率直に大変嬉しかったです。大企業も多数参加される中での最優秀賞は、本当に価値のあるものだと思っています。」
誰もが“当たり前に選べる”未来へ
今後の展望について、香取さんは選択肢の多様化を挙げます。
「お店でノンカフェインコーヒーとカフェイン入りコーヒーを選べるように、植物性商品と動物性商品も当たり前に選べる未来が来ると考えています。」
ディーツが普及することで、ヴィーガンやベジタリアン、ハラル、アレルギーを抱える方、そして特に食事制限のない方まで、誰もが同じ食卓を囲める社会を思い描いています。
「皆が同じ食べ物を囲んで『これ美味しいね』と自然に会話できる。そんな未来をつくりたいと思っています。」
そして最後に、こう力強く語りました。
「『代替肉って美味しくないよね?』というイメージを払拭できる商品を、これからも作り続けていきたいと思います。」
肉・魚に次ぐ第3の選択肢。Deatsの社会実装は、ここからさらに広がっていきます。