令和7年度/未来を創る!フードテックビジネスコンテスト
【個人部門優秀賞】
受賞者インタビュー
坂田美虹さん(松本秀峰中等教育学校)
2026年2月に開催された「令和7年度/未来を創る!フードテックビジネスコンテスト」本選大会。その中で個人部門優秀賞を受賞した松本秀峰中等教育学校 坂田 美虹さんにお話を伺いました。
今回発表された「“NEXT ME BOOST!!”なりたい自分になろう!現役高校生が考える 完全栄養食実装システム」は、高校の購買に完全栄養食を導入し、アプリによる栄養可視化と組み合わせて高校生の「なりたい自分」を後押しする実装型プランです。栄養課題の解決だけでなく、保護者の弁当作り負担の軽減も視野に入れた提案です。
技術を「実装」するために
アイディアの背景には、シンガポールでの短期留学があります。
「代替タンパク源を探究するためにシンガポールに短期留学した際に、細胞培養食品やマイコプロテイン等の『需要がなくて年々販売数が減っている』という状況を目の当たりにし、技術を社会実装させることの難しさを痛感しました。」
現地で目にしたのは、技術の可能性と、その普及の難しさという現実でした。
「その後、SKSJAPAN2025で完全栄養食に出会い、その技術に衝撃を受けたと同時に、実装される未来にすごくわくわくしました。こんなにも素晴らしい技術をもっと多くの人に届けたいという思いから、身近なところで社会実装できないか考えました。」
そこで目を向けたのが、自身の通う高校の購買でした。
「高校の購買では菓子パンばかりが売られている現状があります。ここから変えられるのではないかと思いました。」
身近な環境への問いかけが、今回のビジネスプランへとつながっています。
“アイディア段階でもいい”から始まった挑戦
応募のきっかけは、SKSJAPAN2025での農林水産省の担当者との再会でした。
「日経STOCKリーグ参加時に取材させていただいた方と再会し、このコンテストをご紹介いただきました。最初はビジネスプランなんて考えたこともなく、難しそうだと思っていました」と率直に明かします。
それでも、「アイディア段階でもいい」と背中を押されたことで、挑戦への一歩を踏み出しました。
提案を形にするまでの期間は、試行錯誤の連続だったといいます。
「やると決めたら本気で取り組んで絶対にやり遂げるタイプなので、参加を決意してからは私にしかできない最高のアイディアを見つけるべく、毎日悩みました。」
そうして練り上げたアイディアが、本選の舞台へとつながりました。
“実現したい”という思いの強さ
受賞の知らせを受けたとき、真っ先に思い浮かんだのは支えてくれた人たちの顔でした。
「本選出場が決まってから約一カ月半、本当に多くの方に応援していただきました。その方々に受賞を伝えられることが一番嬉しかったです」と声を弾ませます。
「高校購買で完全栄養食を販売する」という構想は一見シンプルです。その分、審査員にどう評価されるのか不安もあったといいます。
「このような賞をいただけて、“実現したい”という強い気持ちが伝わったのかなと思いました。本気で取り組んできてよかったと感じています」
今後については、はっきりとした目標を掲げます。
「このプランをぜひ実現させたいです。学校という空間にフォーカスしていますが、長期的にはフードテックの社会実装にも大きく寄与できるはずです」
高校の購買から始まる挑戦。その一歩が、次世代の食のあり方に新たな可能性を示しています。