令和7年度/未来を創る!フードテックビジネスコンテスト

【ビジネス部門優秀賞】
受賞者インタビュー

森本親さん
(王子ホールディングス株式会社)

2026年2月に開催された「令和7年度/未来を創る!フードテックビジネスコンテスト」本選大会。その中でビジネス部門優秀賞を受賞した王子ホールディングス株式会社 森本 親さんにお話を伺いました。
“「紙」で地中温度を下げ、収量をアップ『OJIサステナマルチ』”をテーマに挑んだ今回の提案。その背景には、どのような想いがあったのでしょうか。

「紙」で農業の高温障害に挑む

森本さんが語る開発の出発点は、農業現場の作業負担という課題でした。
「従来のマルチシートは、使用後に剥がして産業廃棄物として処理する必要があります。その作業負担や処理コストを削減できないか、という発想からスタートしました」

紙製であれば、使用後は回収せず、そのまま土にすき込むことができます。しかし、現場の農家の方々から聞こえてきたのは、さらに深刻な声でした。

「夏場の高温によって作物が育たない、ダメになってしまうという切実な状況を知りました。そこで高温障害について改めて学び、紙の保水性と気化熱による冷却効果に着目しました。紙マルチこそ、この課題を解決できるのではないかと考えました」

実証栽培を重ねる中で、紙マルチを使用した圃場では地温が下がり、作物の生育が明らかに改善することが確認されました。リーフレタスで収量30%増という事例も生まれ、現在のビジネスプランへと発展していきました。

「紙」はテクノロジーである

本コンテストに応募した理由について、森本さんは次のように語ります。

「紙という素材はとても身近なので、“テック”というイメージがあまりないかもしれません。しかし、シンプルな素材だからこそ、細かな技術の積み重ねが必要です」

王子グループは、創業から150年以上にわたり紙の研究と製造に向き合ってきました。その技術の蓄積が、農業という分野で社会課題解決につながる成果を生み出しています。
「紙ならではの性能が、農業の課題を解決できるということを、多くの方に知っていただきたいと考え、応募しました」

現場とともに積み重ねた結果

受賞が決まったときの率直な気持ちを伺うと、森本さんはこう振り返ります。
「正直に言うと、まずは驚きました」
同時に、強く感じたのは現場との歩みが評価されたことへの喜びでした。

「これまで農家の方々と一緒に、失敗を重ねながら改良を続けてきました。そのプロセスを評価していただけたことが、とても嬉しかったです」
社内外から寄せられた温かい言葉も、大きな励みになったといいます。

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